呪いが祝福へと変わるときその絶望は反転する――
能力値ゼロという身でありながら勇者パーティに選ばれてしまったフラム。
唯一持っているのは“反転”というよく分からない能力。
案の定、戦闘ではまったく役に立たなかったが、それでもめげず、
健気にパーティのためにと働く彼女を、天才として名高い賢者のジーンは
疎ましく思い、ことあるごとにいびり続け、
ついには強引に奴隷商に売り払ってしまう。
その奴隷商会でも虐げられるフラムは、
あげく余興として凶悪なモンスターの餌食になろうとしていた。
だが、手にしたが最後、身体を溶かしてしまう『呪いの大剣』を手にした瞬間、
彼女の人生は急激に反転する。
それは一見、死の悲しみから解き放たれた楽園だった――
「覚悟、できてる? できてなくてもやるけどね」
フラムの元パーティメンバーであり、今は剣技の師でもあるガディオの前に、
死別したはずの妻――ティアが、生前の姿そのままに現れた。
それは敵対するオリジン教の螺旋技術研究の一つで
「ネクロマンシー」と呼ばれるプロジェクトの成果であった。
彼らは自分たちの研究が、
大切な人を失った悲しみから人類を解放するためのものだと力説する。
その言葉を信じきれないフラムは、自身の目で真実を確かめるために、
彼らの研究施設へと乗り込むのだった。
呪いが祝福へと変わるとき、その絶望は反転する――
大好きな仲間であったフラムが
パーティからいなくなったことを後悔しつづける勇者キリルは、
賢者であるジーンがフラムに行った悪辣な所行、
そして螺旋が蠢くマリアの姿を目撃し、
絶叫とともに城を抜け出し街へと飛び出した。
彼らは自分たちの研究が、
大切な人を失った悲しみから人類を解放するためのものだと力説する。
そして行く当てもなく彷徨った先でミュートと名乗る少女に出会う。
その邂逅はさらに悲劇へと物語を加速させる。
そして王都は混沌のバースデイを迎えるのであった。
奴隷少女は絶望を“反転”させる――
“反転"という能力のせいで、一般人よりもさらに非力なフラムは、
何故か神のお告げで勇者パーティーに選ばれてしまう。
当然戦闘では役に立たなかったが、
皆の身の回りの世話を頑張り、パーティを支えていた。
だがそんな姿を疎ましく思った賢者のジーンは、
彼女をいじめ続けたあげく強引に奴隷商へと売り払ってしまう。
そんな、何もかもが絶望に彩られた世界で手にした『呪いの大剣』。
それがフラムの、そして売られた先で出会った奴隷少女ミルキットの運命を、
大きく“反転”させる――
奴隷少女は絶望を“反転”させる――
『みつけた』
ワーウルフを倒し、冒険者となったフラム。
ミルキットと共に新たな生活が始まる…。
そう思っていた矢先、ゴロツキに襲われた商人を助けることに。
その際、フラムに協力してくれた修道女のセーラと出会う。
助けた商人から薬草採取の依頼を引き受けることになったフラムとセーラは
襲いかかるモンスターを難なく倒し、薬草探しは順調かに思えた。
しかし、渦巻く顔を持つ、悍ましい怪物が2人の前に現れる――。
奴隷少女は絶望を“反転”させる――
奴隷少女は絶望を“反転”させる――
薬草採取の報酬として拠点となる一軒家を手に入れたフラムとミルキット。
そこでフラムは勇者パーティで行動を共にしていた英雄・エターナと再会する。
彼女の知識によりミルキットの解毒の術がわかり喜ぶフラム。
一方、西区を統治すべくデイン一派は動き出す…。
「どうか私から離れないで」
かつての仲間との再会、迫りくる悪意。
交錯するそれぞれの思惑。
掴みかけた穏やかな日々が少しずつ狂い始める――